イタロ・カルヴィーノ 再話 関口英子 訳 酒井駒子 絵 BL出版
とても絵がきれいで、お気に入りの絵本の一つです。
この絵本の画家の酒井駒子さんの絵は、写実的なようでいて幻想的な、私の好きな雰囲気です。この昔話の世界観に、とてもよく合っていると思います。
むかし、梨の木を育てている男がいました。ある年、王様に収める梨が十分に実らず、男は、空っぽのかごに末の娘を入れ、上から葉っぱをかぶせました。娘は梨ごと王様の倉に届けられ、じっと身を潜めて梨をかじっていました。やがて娘は見つけられ、王様の台所で働くことになりました。みんなはこの娘を梨の子という意味で、ペリーナと呼びました。
ペリーナは賢く、心の優しい子どもだったので誰からも好かれました。ペリーナは、同じ年頃の王子様と仲良しになりましたが、それをねたんだ他の召使たちが「ペリーナは、魔女の宝物を取ってこられるんですって」とありもしない噂を流しました。そのうわさを聞き付けた王様は、「一度口に出した言葉は、守らねばならぬ」と、ペリーナを宮殿から追い出し、魔女の宝物を取ってこられるまで、中に入れないと言いました。
ペリーナは魔女の宝物を取りに出かけることになりました…
ペリーナは、いつも不思議な力に守られているような感じがあります。いつも、誰からも助けを受けられるのです。幻想的な、楽しい雰囲気を感じられる絵本です。

