みどりの小鳥 イタリア民話選

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イタロ・カルヴィーノ 作 河島英昭 訳  岩波書店

 この本は、イタリアの美しい昔話を34編集めた本です。簡潔な文章の間から、独特の雰囲気を感じます。お話は、「小さな子どものための話」「女の子のための話」「少し悲しい話」など、六つにグループ分けされています。

 私の好きなお話は、「ジーリコッコラ」です。このお話を読むと、真っ暗な夜空に浮かぶ月や星が思い浮かびます。ジーリコッコラは、三人姉妹の一番下の、一番美しい娘でした。一番美しいことで、姉たちからねたまれ、穀物蔵の中に閉じ込められてしまいます。すると、月が、小窓からジーリコッコラを連れ出し、自分の家にかくまいます。それを知った姉たちから頼まれて、星占いの女が月の家にやってきます…。

 もう一つ、好きなお話は「ローズマリーの娘」です。昔、ある女王様が、こどもがいないのを嘆いていました。しばらくたって、女王様にローズマリーの苗が生まれてしまったのです。女王様の甥のスペイン王が、このローズマリーを気に入り、腕ずくで自分の城へ持って帰りました。ある日、王様がこのローズマリーのそばで笛を吹いていると、ローズマリーの中から、美しい娘が出てきました…

 他のお話も、どことなくきらびやかで、内容も豊かなものばかりです。

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