フェリクス・ホフマン 編・画 大塚 勇三 訳 福音館書店
前回紹介した「グリムの昔話 1」の続きの巻です。この本には、「白雪姫」「千色皮」「森の中の三人の小人」「熊かぶり」など、34編のお話が収められています。
「十二人の狩人」というお話を紹介します。昔、ある王子が許嫁のお姫様のそばで、楽しく暮らしていました。ところがそこへ、王子のお父さんが病気で死にそうになっている、という知らせが届きました。お父さんの王様は、死ぬ前に、王子の許嫁とは違う、あるお姫様の名前を挙げ、その人と結婚するように言いました。王子はあんまり悲しかったので、その通りにすることを約束してしまいました。
王子の許嫁だったお姫様は、そのことを聞いてとても嘆きました。そしてお姫様は、顔も、姿も、大きさも自分にそっくりな十一人の娘とともに、十二人の狩人として王子に仕えることにしました。ところで、王子は一頭のライオンを飼っていました。このライオンは隠されていることや、秘密を何でも知っているふしぎな獣でした。このライオンがこの十二人の狩人たちが本当は娘たちなのではないかと疑いはじめました…
訳者によって訳し方が違うので、いろいろなお話を、訳者ごとに読み比べてみるのも面白いです。読むごとに違った味わいがあるのもグリムの昔話の面白いところだと思います。