天国を出ていく 本の小べや2

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エリナー・ファージョン作 石井桃子訳 岩波書店

 前回紹介した、「ムギと王さま」の続きの短編集です。この本にも、13編の美しい短編が入っています。

 表題作の「天国を出ていく」は、作者がフランスのノルマンディー地方を訪ねた時の出来事から、思いついたお話のようです。作者が止まった宿屋の娘の、小さい女の子たちが歌っていた鬼決め歌は、こんな文句で始まっていました。

 「小さい王子さま、三人で天国をでていった」作者は、天国に幸せに住んでいた三人の小さい王子さまが、あることをきっかけに一人ずつ天国から出ていき、旅に出るというお話を語ります。この後続く歌の文句からも、お話は広がります。小さい王子さま三人は、居心地の良い天国から出て行って、果たして幸せになれるのでしょうか。

私はほかにも、「小さいお嬢さまのバラ」や、「サン・フェアリー・アン」、「パニュキス」などが好きです。

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