子どもに語る イタリアの昔話

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剣持弘子 訳・再話 平田美恵子 再話協力 こぐま社

 自分で読んでも、語り聞かせても楽しいイタリアの昔話です。前に紹介した、「子どもに語る アイルランドの昔話」と同じシリーズです。

 「水晶の小箱」というお話が入っています。あるところに、三人の娘が住んでいました。一番下のアメーリアは、特別美しい娘でした。上の姉さんが庭へ出て、イチゴを摘んでいると、竜が現れて「キスしておくれ」と頼みました。けれど、上の姉さんは、それを断りました。中の姉さんのところにも、竜が現れて「キスしておくれ」と頼みましたが、中の姉さんも断りました。美しいアメーリアのところにも、竜が現れて、「キスしておくれ」と言いました。アメーリアは、何度も竜の頼みを聞いて、竜にそっとキスしてあげました。すると、竜は消え、そこには水晶の小箱がありました。中の紙には、醜い竜が実はスコットランド王子だったことが書かれていました。夜になって、アメーリアが、その水晶の小箱を開けると、美しい王子が現れるのでした…

 これは不思議な美しいお話で、読むと心が洗われるようです。この本に収められている他のお話で、私が好きなのは、「三つのオレンジ」と「ものいう小鳥」です。どのお話も、どことなくきらびやかで、明るい雰囲気が流れています。

 

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