佐々木田鶴子 訳 出久根 育 絵 岩波書店
前回紹介した「グリム童話集 上」の下巻です。この本にも25編のグリム童話と、その解説が収められています。
私が好きなお話は、「六羽の白鳥」です。美しい妹が、魔女の呪いで白鳥の姿になってしまった六人のお兄さんたちを救うために、ヒナギクの花を縫い合わせて六枚の肌着をつくらなければならなくなります。その後にも、美しい妹には次々に試練が降りかかります。けれども、妹はその試練を乗り越えて幸せになるというお話です。
美しい妹の六人のお兄さんとは、何を表しているのだろうと思います。六人のお兄さんを合わせたような、強い自分を守ってくれる存在なのかなと思いました。
他に、「シンデレラ」としても知られている「灰かぶり」のお話も入っています。灰かぶりが、最初、市へ行くお父さんに「帰り道で、お父さんの帽子に最初に当たった若枝を持って帰ってきてください」とお願いし、そのハシバミの若枝に住む鳥が灰かぶりを助けてくれるのです。
挿絵もきれいで、上巻と同じように楽しめます。