青い鳥

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メーテルリンク 作 末松氷海子 訳 岩波書店

 「青い鳥」は、子供向けの劇です。この本は、戯曲の形式で書かれています。クリスマスイブの日、木こりの子どものチルチルとミチルの兄妹のところに、隣の家のおばあさんがやってきます。おばあさんの娘は病気で、「青い鳥」を欲しがっているというのです。その娘は、「はっきりとはわからないが、幸せになりたがってる。」のだそうです。チルチルとミチルは、幸せの青い鳥を求めて冒険の旅へ出ます。

 美しい光の精の案内で、犬や猫、パン、砂糖、火、水とともに、「思い出の国」「夜のご殿」「森」「墓地」「幸福の楽園」などを巡って青い鳥を探すのですが、最後に家に戻ったチルチルは自分のハトが青い色をしていることに気が付きます。チルチルはその「青い鳥」を、隣の家の病気の少女にあげることにします。光の精にそっくりのその少女は、チルチルのハトを見た途端元気になったのです。

 チルチルは、今は少女のものになったその鳥に餌を食べさせようとしました。チルチルが少女の手から鳥を取ろうとしましたが、少女は思わず取らせまいとします。二人がためらったすきに、青い鳥はどこかへ飛んで行ってしまいます。少女はすすり泣き始めますが、チルチルは、「泣かないで。ぼく、またつかまえてあげるから。」と慰めるのでした。そして、チルチルが観客に向かって、「皆さんのなかで、もしどなたか、あの鳥を見つけたら、ぼくたちに返してくださいませんか?ぼくたちは、これから先幸せになるために、あの鳥が必要なんです。」と呼びかけるところで、この劇は終わります。

 これは、どのようなことを表しているのだろう、と思います。このエピソードも、「青い鳥」が象徴しているものも、謎に包まれていると思いました。

 元の戯曲の形で、「青い鳥」のお話を詳しく知ることができます。

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