シェイクスピア物語 [上]

倉庫

ラム 作 厨川圭子 訳 偕成社

 シェイクスピアの劇の中から、19世紀にイギリスのラム姉弟が20の劇を選んで、少年少女向きに物語の形に書き直したものが、この「シェイクスピア物語」だそうです。この上巻には、「あらし」「夏の世の夢」「冬ものがたり」「むださわぎ」「お気に召すまま」「ベローナのニ紳士」「ベニスの商人」「シンベリーン」「リヤ王」「マクベス」の10の物語が収められています。

 私はこの中で「シンベリーン」が好きです。シーザー大帝がローマ帝国を治めていたころの物語です。その頃、イングランドはシンベリーン王が治めていました。シンベリーン王には、一番年長のイモジェン姫と、二人の弟の王子がいましたが、弟たちは、幼いころ、何者かに宮殿からさらわれてしまいました。成長したイモジェン姫は、腹黒い継母にねたまれ、別れた婚約者に会うために旅に出ることになります。イモジェン姫は、旅の間は男の子の服装をしていました。疲れ切ったイモジェンは、ある洞穴にたどり着きます。そこはなんと、イモジェン姫の生き別れた二人の弟たちが、狩りをしながら生活している洞穴だったのです。三人は自分たちが本当は姉弟であることを知りませんでしたが、とても仲良く暮らすのでした。けれども、イモジェン姫は、意地悪な継母に持たせされた瓶の薬を飲んで、昏睡状態になってしまうのでした…

 色々複雑な出来事が続きますが、最後は、無事にハッピーエンドになります。少し、「白雪姫」の話に似ているところがあると思いました。

 調べてみると、この「シンベリーン」だけではなく、シェイクスピア劇には昔からの伝説や、昔話などをベースにしているようなものが多くあると思いました。この本をきっかけに、興味を広げてみるのもよいかもしれないと思いました。

タイトルとURLをコピーしました