ぶん アリス・ダリグリーシュ え アニタ・ローベル やく 星川 菜津代 童話館出版
むかし、あるところに、小さな木彫りのおひゃくしょうさんと、小さな木彫りのおかみさんが、小さな木の家に住んでいました。家の横には納屋や、豚のうちや、羊を飼うのにちょうど良い場所がありました。けれども、おひゃくしょうさんのところには、一緒に暮らす動物たちがいません。そこで、おひゃくしょうさんとおかみさんは、顔なじみの船長さんに、誰にも飼われていない動物たちを連れてきてほしい、と頼みました。船長さんは、おひゃくしょうさんの家の近くの川を、毎日、木の船で通っていました。船長さんなら、川のそばのどこかから、そんな動物たちを探してきてくれると思ったのです。
動物たちは、順調に見つかります。船長さんが、居心地のいいうちがあるよ、というと、羊や、豚や、牝牛は喜んで船に乗ってきてくれます。見つけるのに時間がかかったのは、雄鶏と雌鶏でした。
おひゃくしょうさんとおかみさんは、自分たちで犬と猫を見つけ、二人が欲しいと思っていた動物たちはみんな揃いました。おひゃくしょうさんとおかみさんは、二人でとても幸せになったというお話です。
この動物たちは、何を表しているのだろうと思います。おひゃくしょうさんとおかみさんが、幸せになるためにどうしても必要なものだったのかもしれません。
細かいところまで描き込まれた、やさしい感じのする絵です。絵を眺めているだけでも楽しいです。おひゃくしょうさんとおかみさんの描かれ方から、素朴であたたかな暮らしが想像できます。

