ギリシア神話

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高津春繁・高津久美子訳 偕成社

古代ギリシア人たちが語り伝えてきた物語です。この本の表紙には、濃い青色と白が使われていますが、その通り、収められているお話を読むと、ギリシャの濃い青色の空と真っ白な壁の家々が見えるようです。私が好きなのは、ペルセウスのお話が入っているアルゴス王家の物語です。

 ペルセウスのおかあさんのダナエーという姫は、父親によって青銅の牢屋にとじこめられていました。ダナエーの生む子供が、父王を殺すという神のお告げがあったからなのです。ところが、神々の王のゼウスが、ダナエーに恋をしました。そして、黄金の雨になって、ダナエーを訪れました。そうして生まれたのが、ペルセウスです。ペルセウスは、大きくなると、強く美しい若者となって、ゴルゴーンの首を取ってくるという大仕事をします。その帰りに海の怪物のいけにえとなっていたアンドロメダ姫を助けるのです。二人はいつまでも幸せに暮らしました。このように、ハッピーエンドになっているところが、私がペルセウスの物語を好きな理由です。

 他にも、ていねいな語り口で語られる、古代ギリシアの空気を味わえるお話が、たくさん入っています。

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