プラテーロとぼく

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ヒメネス作 長南 実訳 岩波書店

 詩人の作者と、ろばのプラテーロが、スペイン・アンダルシアの町をめぐっていきます。その中で見たり聞いたりしたことが散文詩になって、この本に収められています。

 一つ一つの詩の中に出てくる言葉が、とても美しいです。「月」という詩では、「星影をやどした水」「ヘリオトロープ」「金の卵」という言葉が出てきます。私は、それらのことばからやわらかな夜を思い浮かべました。「パン」という詩では、「太陽が燃えさかる」「冷しスープ」「チーズとぶどう」「金いろ」などの言葉が出てきます。パンをはじめとしたおいしそうなごちそうが、明るい太陽の光の中に現れる様子が思い浮かびます。

 どの詩に出てくるイメージも素敵で、本当にスペイン・アンダルシアに行ってみたくなります。それぞれの詩を読んで自分で思い描いたイメージを、ずっと大切にしていきたいと思えます。

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